SEのキャリアパスは、その人が身につけているスキルによって選択肢の幅が異なります。優秀なSEはスキルアップへの意欲が高く、豊富な知識や経験を活かしてさまざまな分野で活躍しています。ITに関する専門知識だけでなく、専門外の知識に対する関心を強く持っているのも優秀なSEによくある特徴です。では、優秀なSEに共通して見られる特徴は他にどのようなものがあるのでしょうか。
優秀なSEは、ITの専門分野に関する知識を日頃から豊富にインプットしています。最新技術についての情報収集を欠かさず、専門知識を常にアップデートするよう努力しています。ITの技術は進歩のスピードがとても早いことから、最新技術についての確かな知識を持っていることはSEにとって武器となります。優秀なSEほど向上心が高いため、ITの専門分野以外の知識に対する関心も持っています。システム開発でかかわる分野の周辺知識はもちろんのこと、システム開発には直接関係ないような領域まで興味の幅を広げながら知識をインプットしています。
優秀なSEには、例外なく高いコミュニケーション力があります。柔軟で独創的な発想があり、豊富な経験により洗練されたビジネススキルも持ち合わせています。ビジネスシーンにおいて発生する課題や問題も、コミュニケーション力を駆使して巧みに解決する力があります。想定外の問題にぶつかっても、冷静に状況を把握し柔軟な発想力を持って状況の変化に対応することができます。優秀なSEは総合的に高い能力を持ち合わせていますが、自分の力だけに頼ろうとせずチームメンバーの力を頼ります。メンバー全員の能力をうまく引き出し、チームを結束させてプロジェクトを成功へと導くリーダーシップもあります。優秀なSEほど自分の力を過信しておらず、チームワークの重要性を強く認識しています。
約束を守るのはどんな仕事でも大切なことですが、優秀なSEは納期順守に対する強い気持ちを持っています。品質の高い成果物の完成を目指しつつも、定められた納期は必ず守る意識を持ってプロジェクトを進めます。プロジェクトの途中で突発的な問題が発生する可能性を最初から考慮に入れているため、想定外の問題が発生しても納期に間に合わせるために最善を尽くすことができます。不可抗力によりプロジェクトの遅延が発生することはありますが、クライアントに対する丁寧なフォローと現場への的確な指示によってうまく調整しながらゴールを目指します。
IT業界の前線に立つ職種はとても幅広く、その分SEのキャリアの選択肢も広範囲にわたります。日進月歩のIT業界で今後のキャリアプランを考えるなら、将来性に着目するのも一つの方法です。SEのキャリアプランの例としてはAIエンジニア・セキュリティエンジニア・ITスペシャリストの選択肢があり、いずれも需要の高さが特徴です。
SEのキャリアパスは、どのようにスキルアップするかが重要なカギとなります。SEの勉強方法は読書とインターネットの併用が主流ですが、効率的に知識を身につける工夫が必要です。読書は量ではなく質を重視し、プログラミング学習サイトなども活用しましょう。勉強のためにまとまった時間を確保できなくても、スキマ時間を使って知識を積み上げることができます。勉強会やイベントなどにも積極的に参加し、同業者との交流を深めましょう。
SEのキャリアパスが多様化した要因のひとつに、フリーランスの増加があります。フリーランスSEの多くは出向型や常駐型の働き方ですが、少数ながらリモートワーク型で働く人もいます。SEがフリーランスとして通用するようになるまでには、少なくとも5年程度の経験が必要といわれています。リモートワークは情報漏洩のリスクを考慮すると、どうしても小規模システムの案件が多くなりプログラミングがメインとなることがほとんどです。
SEの主な仕事はシステム開発における上流工程で、IT系の資格を必須とするものではありません。ただし、資格を持っていれば高い専門性と技術力の証明になり、理想のキャリアパスを実現するのに役立ちます。これからのSEにおすすめの資格は、IPAが実施している国家試験の「情報処理技術者試験」、ベンダー資格の「オラクルマスター」などです。資格の難易度が高ければ高いほど、SEとしての市場価値を高めることができます。
SEとしてのキャリアパスがはっきりしてくると、転職を考えるようになるかもしれません。SE転職を成功させるコツは、IT業界の転職事情について把握し、応募書類の作成や面接対策をしっかり行うことです。本人が考えているSEとしての市場価値と実際の市場価値が異なる場合があるので、検証する必要もあります。転職エージェントに相談すれば、SEとしての現時点での能力が市場でどのぐらいの価値を持つのかを検証できます。
フリーランスSEが案件を獲得する方法は複数あります。多くのフリーランスは、かつての勤務先の同僚や顧客、友人、知人などの紹介で案件を受注しています。クラウドソーシングサイトからの案件で実績を積んだり、勉強会やセミナーに参加して技術や案件に関する情報を交換をしたりする方法もあります。自分から積極的に行動することが難しいフリーランスでも、フリーランスエージェントを活用すれば、自分のスキルに合う案件をすぐに見つけることができます。