SEのキャリアパスは時代の流れとともに変化しつつあります。選択肢となりうるキャリアパスの概要を知っておくことで、SEとしてこれからどのように行動すればいいかが見えてきます。SEにかかわらず近年増えているのがフリーランスです。フリーランスとは、特定の企業に雇用されることなく自由に企業や個人と契約する働き方です。働く時間や場所、仕事の内容や質もすべて自分の裁量で選ぶことが可能なので、SEとしての能力を最大限に活かしてさまざまなことにチャレンジできます。フリーランスの働き方は、「出向型・常駐型」「リモートワーク」の2つがあり、働き方によって案件の傾向が異なります。
フリーランスSEは自由に働けるイメージがありますが、実際のところは「出向型・常駐型」が主流です。SEの仕事はシステム開発の上流工程なので、完全なリモートワークとすることは難しいのが実情です。フリーランスSEの日々の働き方は会社員のSEと同じで、出勤してオフィスで仕事をします。会社員と違うのは、雇用契約ではなく業務委託契約であることです。クライアントと対等な取引を行う関係にあり、副業禁止などの社則に従う必要もありません。週に5日出勤とは限らず、出勤日数や時間は契約内容によって異なります。
フリーランスSEの多くは、会社員のSEとして5年以上の経験を積んでいます。プログラマの場合は未経験からフリーランスを目指すこともありますが、上流工程を担うSEには経験が必要です。要件定義、基本設計、詳細設計を独立後に学ぶとなると、即戦力が求められるフリーランスの仕事を受注できるようになるまでに時間がかかります。上流工程の流れを知っているのと経験しているのとでは大きな違いがあるため、フリーランスSEの場合は経験が必須条件となるのです。
仕事の性質上、リモートワークができるフリーランスSEはごく少数です。上流工程はコミュニケーションが中心で、クライアントやチームメンバーなど関係者の間に入ってさまざまな調整を行わなければなりません。リモートワークにする場合、機密性の高い情報を持ち帰ることになります。クライアントにとって、外部の人材にそのような仕事を任せることはハイリスクです。情報漏洩のリスクは企業規模に関係なく気をつけるべき部分ですが、大企業になればなるほどリスクを避ける傾向にあります。リモートワークが可能なSE案件は小規模システムの案件が多く、プログラミングがメインとなることがほとんどです。
IT業界の前線に立つ職種はとても幅広く、その分SEのキャリアの選択肢も広範囲にわたります。日進月歩のIT業界で今後のキャリアプランを考えるなら、将来性に着目するのも一つの方法です。SEのキャリアプランの例としてはAIエンジニア・セキュリティエンジニア・ITスペシャリストの選択肢があり、いずれも需要の高さが特徴です。
SEのキャリアパスは、どのようにスキルアップするかが重要なカギとなります。SEの勉強方法は読書とインターネットの併用が主流ですが、効率的に知識を身につける工夫が必要です。読書は量ではなく質を重視し、プログラミング学習サイトなども活用しましょう。勉強のためにまとまった時間を確保できなくても、スキマ時間を使って知識を積み上げることができます。勉強会やイベントなどにも積極的に参加し、同業者との交流を深めましょう。
SEのキャリアパスが多様化した要因のひとつに、フリーランスの増加があります。フリーランスSEの多くは出向型や常駐型の働き方ですが、少数ながらリモートワーク型で働く人もいます。SEがフリーランスとして通用するようになるまでには、少なくとも5年程度の経験が必要といわれています。リモートワークは情報漏洩のリスクを考慮すると、どうしても小規模システムの案件が多くなりプログラミングがメインとなることがほとんどです。
SEの主な仕事はシステム開発における上流工程で、IT系の資格を必須とするものではありません。ただし、資格を持っていれば高い専門性と技術力の証明になり、理想のキャリアパスを実現するのに役立ちます。これからのSEにおすすめの資格は、IPAが実施している国家試験の「情報処理技術者試験」、ベンダー資格の「オラクルマスター」などです。資格の難易度が高ければ高いほど、SEとしての市場価値を高めることができます。
SEとしてのキャリアパスがはっきりしてくると、転職を考えるようになるかもしれません。SE転職を成功させるコツは、IT業界の転職事情について把握し、応募書類の作成や面接対策をしっかり行うことです。本人が考えているSEとしての市場価値と実際の市場価値が異なる場合があるので、検証する必要もあります。転職エージェントに相談すれば、SEとしての現時点での能力が市場でどのぐらいの価値を持つのかを検証できます。
フリーランスSEが案件を獲得する方法は複数あります。多くのフリーランスは、かつての勤務先の同僚や顧客、友人、知人などの紹介で案件を受注しています。クラウドソーシングサイトからの案件で実績を積んだり、勉強会やセミナーに参加して技術や案件に関する情報を交換をしたりする方法もあります。自分から積極的に行動することが難しいフリーランスでも、フリーランスエージェントを活用すれば、自分のスキルに合う案件をすぐに見つけることができます。