近年私たちの生活のなかでますます身近な存在になっているAI(人工知能)。自動車に搭載された自動運転システムや、一般家庭にも普及しているお掃除ロボット、ChatGPTなど、あらゆる分野でAIの活用が広がっています。このようなAIを使ったシステム開発を行う職種がAIエンジニアであり、SEのキャリアプランの一つに挙げられます。日常生活上のさまざまなシーンで活用されているだけでなく、企業もAIを活用した開発を進めています。そのため、AIエンジニアの需要は今後も高まり、将来性にも期待できるでしょう。
AIエンジニアになるためには、特別な資格や学歴などは指定されていないことが多いです。しかし、AI開発で求められるPythonをはじめ、IoTの知識などは学ぶ必要があります。また、機械学習やアルゴリズムについて知見を深めておくことも有益です。
セキュリティの分野も、AIと同様に近年注目を集めています。ITが一気に普及し利便性が向上したのと同時に、個人情報の漏洩やウイルス感染などさまざまな脅威に備える必要性が高まったためです。こうしたサイバー攻撃から企業や団体を守る役割を担うのが、セキュリティエンジニアです。セキュリティエンジニアの仕事内容は、セキュリティポリシーの策定やネットワークセキュリティの構築など広範囲にわたります。一般的なSEと同様に、フェーズは企画・設計・実装・テスト・運用と分類されています。
転職の際に役立つ資格は、セキュリティ関連の入門資格ともいわれる情報セキュリティマネジメントや、サイバーセキュリティ関連の国家資格である情報処理安全確保支援士試験などが該当します。サイバー攻撃は年々巧妙化かつ高度化している傾向にあるため、セキュリティエンジニアの需要はますます高まっています。SEのキャリアプランの一例として、将来性にも期待できる職種です。
ITスペシャリストはITの専門分野に特化した職種であり、プロジェクトの技術面をサポートする役割を担います。レベルが1~7までに区分されているITスキル基準において、レベル3以上のスキルをいずれか一つでも習得している場合にITスペシャリストとして認められます。レベル1は、情報技術者として最低限の知識を有していることが指標とされています。レベル7に該当するのは、プロフェッショナルとしての専門スキルが確立しており、世界で通用するプレーヤーとして認められたITスペシャリストです。スキルの習熟度や経験、実績などを基準に、レベルが認定されます。
レベルは7段階に分かれるものの、ITスペシャリストがITスキルの専門家であることは事実です。IT業界は人材不足の状況にあり、特に上流工程を担えるハイレベルな人材は大いに歓迎されます。SEからITスペシャリストにキャリアアップした際もレベルを段階的に高めることができ、レベルが上がるほど高収入にも期待できるといわれています。
IT業界の前線に立つ職種はとても幅広く、その分SEのキャリアの選択肢も広範囲にわたります。日進月歩のIT業界で今後のキャリアプランを考えるなら、将来性に着目するのも一つの方法です。SEのキャリアプランの例としてはAIエンジニア・セキュリティエンジニア・ITスペシャリストの選択肢があり、いずれも需要の高さが特徴です。
SEのキャリアパスは、どのようにスキルアップするかが重要なカギとなります。SEの勉強方法は読書とインターネットの併用が主流ですが、効率的に知識を身につける工夫が必要です。読書は量ではなく質を重視し、プログラミング学習サイトなども活用しましょう。勉強のためにまとまった時間を確保できなくても、スキマ時間を使って知識を積み上げることができます。勉強会やイベントなどにも積極的に参加し、同業者との交流を深めましょう。
SEのキャリアパスが多様化した要因のひとつに、フリーランスの増加があります。フリーランスSEの多くは出向型や常駐型の働き方ですが、少数ながらリモートワーク型で働く人もいます。SEがフリーランスとして通用するようになるまでには、少なくとも5年程度の経験が必要といわれています。リモートワークは情報漏洩のリスクを考慮すると、どうしても小規模システムの案件が多くなりプログラミングがメインとなることがほとんどです。
SEの主な仕事はシステム開発における上流工程で、IT系の資格を必須とするものではありません。ただし、資格を持っていれば高い専門性と技術力の証明になり、理想のキャリアパスを実現するのに役立ちます。これからのSEにおすすめの資格は、IPAが実施している国家試験の「情報処理技術者試験」、ベンダー資格の「オラクルマスター」などです。資格の難易度が高ければ高いほど、SEとしての市場価値を高めることができます。
SEとしてのキャリアパスがはっきりしてくると、転職を考えるようになるかもしれません。SE転職を成功させるコツは、IT業界の転職事情について把握し、応募書類の作成や面接対策をしっかり行うことです。本人が考えているSEとしての市場価値と実際の市場価値が異なる場合があるので、検証する必要もあります。転職エージェントに相談すれば、SEとしての現時点での能力が市場でどのぐらいの価値を持つのかを検証できます。
フリーランスSEが案件を獲得する方法は複数あります。多くのフリーランスは、かつての勤務先の同僚や顧客、友人、知人などの紹介で案件を受注しています。クラウドソーシングサイトからの案件で実績を積んだり、勉強会やセミナーに参加して技術や案件に関する情報を交換をしたりする方法もあります。自分から積極的に行動することが難しいフリーランスでも、フリーランスエージェントを活用すれば、自分のスキルに合う案件をすぐに見つけることができます。